長くなった海外生活で、テレビをまったく観ないことと、毎日の読書の習慣は定着した。 自分で自分は比較的活字をよく読む方だと思っているが、実は紙の新聞は購読していない。 いや、紙どころか、新聞の電子版の契約すら解約して久しい。 理由は簡単、複数紙契約したくとも予算がないことと、一紙だけを購読すると、結果的に偏った情報に洗脳される恐れがあるからだ。 その代わりにインターネットのニュースサイトは、斜め読みだがよく見ている。 毎朝、全国紙のサイトは、産経-読売-日経-毎日-朝日と、右寄りから左端まで簡単にチラ見したあと、 iRONNA、HUFFPOST、Yahoo!ニュース特集、DailyNK Japan、大紀元(Epoch Times in Japan)などにもアクセスする。 別にアクセスしたからと言って、記事やコラムを熟読することは滅多にない。あくまでチラ見が基本だ。 理由は明快、「森友」とか「加計」だとか、無理筋なワイドショー目線の記事が多いことと、全部読んでいたら夕方オフィスを出る時間になってしまうからだ。 この程度の情報収集方法では、事の背景や事象はザックリと把握出来ても、問題の本質まで理解し自分の考えをまとめる迄には至らない。 理解不足を補うために、毎朝、時事問題に関するラジオ番組数本をYoutubeからダウンロードし、MP3プレーヤーにぶち込んでおいて、 客先へ行く車の中や、夕方のウォーキングの時間に聴いたりもしている。 毎日それなりに大変だが、多くの情報に接することで、比較する対象が増えて、メディア各社の報道姿勢の違いが分かってくる。 今では、ニュースまとめサイトなどで、極端な政権批判の見出しが躍っていたとしても、ニュースソースの新聞社名を見て「あ、またあそこの偏向報道ね」と冷静にスルーしている。 しかし、2017年の都議会議員選挙以降、気になり出した方も多いと思うが、今では「また、あの新聞社の偏向報道かぁ〜」などと呑気に構えているワケにはいかない事態になって来た。 「恣意的な切り取り報道」、「報道しない自由」、「印象操作」等々、堂々と白を黒だとメディアがこぞって嘘を垂れ流していることが明白になって来たからだ。
先の都議選では、小池都知事&都民ファーストの会の「風」の勢いも確かにあったが、国政にからむ様々な印象操作が、想像以上に選挙に影響を与えていたことが分かって来た。 数あるメディアの印象操作の一例だが、首相が応援演説にかけつけた秋葉原で起こった「安倍やめろコール」の報道などは、完全に常軌を逸している。 報道もミスや誤報ならばまだ救いもあるが、最近のメディアは恣意的に、いや、もう開き直って世論誘導をしているとしか思えない。 「権力の監視」がメディアの使命なので、現在の権力である政権与党に批判的なのは分からぬではないが、左系のメディア(敢えて特定はしないが)などは、今や単なる倒閣勢力としか見えない。 以前、国連特別報告者なる、怪しげで調査不足のおせっかい野郎が「日本で報道の自由が脅かされる恐れがある!」などと訴えていたが、 実態は、報道側が自由過ぎる立場を利用して、情報に角度をつけて(朝日新聞用語!)真実を覆い隠しているケースが目立つ。 例えば、産経新聞だけを読んでいる人と、朝日新聞だけを読んでいる人では、前川さん(私じゃないよ!天下りあっせん問題で辞任した前文科省事務次官のこと)の評価は180度違う筈だ。産経読者は「天下り、出会い系、詭弁、岩盤規制」などと云ったネガテイブな言葉が出てくるだろうし、朝日読者からは「弱い立場にある人たちに手を差し伸べる人格者」といった調子であろう。まあ、人間はいろんな面があるので全部真実だったとしても、その一部だけを強調すると、同じ人間の印象や評価がこうも異なってしまうものだ。 前述の「安倍やめろコール」などは、大多数の聴衆が静かに安倍さんに共感をもって演説を聴いていたとしても、一部の過激な集団(特定されていますね)のみをデフォルメし全国に発信すれば、 ワイドショーしか観ない所謂「情報弱者」達は「あんなに反対意見が多いのは、安倍は何か悪いことをして、それを隠しているに違いない」と陰謀論的な好ましくない印象を持ってしまうものだ。 「よくわからないけど、何か悪いことを隠している安倍首相。彼が総裁を務める自民党の候補者に票を入れるワケにはいかない」 「でも民進党は党首がイケ好かないので応援したくない」 「都知事選のとき、古狸たちをコテンパンにやっつけてくれた小池さん」 「都知事になって挨拶に行ったとき、古狸たちは握手もしてくれなかった(都議選後、握手していたことが判明)のに、堂々と若い人たちを味方につけて勝負に出た」 「もし投票日が良い天気なら、選挙にいってみようかな?」 こんなロジックで浮動票を集めて都民ファーストの会が圧勝したのであろう。 もし仮に、都民ファーストの会の新人達が、都議会で(確率は低いが)素晴らしい働きをすればラッキーだ。 しかし、2009年の民主党への政権交代のときのようなこと(私も咎人。。。)になってしまったら、恣意的な印象操作で選挙を歪めたメディアの責任は重大だ。 結果は近い将来確実に出てくる。 販売部数や視聴率が優先するのか、政治的意図を押し通したいのか、まったく、メディアで働く人達は、自分が自身の墓穴を掘っていることに気付かないのだろうか。
その手法や品格はともかく、トランプ大統領誕生で、アメリカでもメディアのあり方が問われていると思う。 国のリーダーとメディアの戦いという意味では、日本も状況がよく似ているかも知れない。 今や「権力の監視」機能自体が闇の権力化し、国民を分裂させ、無用な疑心暗鬼を生じさせている。 私は、今回の都議選の顛末をきっかけとして、日本中の人がメディア・リテラシーを高める大切さを知り、フェイク・ニュースを垂れ流すメディアは淘汰される世の中になってほしいと願っている。 インターネットが普及している現代では、ちょっとした手間を厭わなければ、ニュースの嘘を見破ることは難しいことではない。 そして、発見した嘘は、自らどんどんSNSやブログ(コラム)等で迷わず発信しようではないか。 前述の秋葉原のようなケースで、運良く現場にいた場合などはYoutubeに映像をアップして「本当はこんな状態でしたよ」とメディアにカウンターを喰らわせよう。 また、偏向報道を繰り返す自称クオリティペーパーなどは、もう「改善しろ」などと投書などしても意味がないので、スパッと購読を止めよう。 購読を止めたら、新聞社の「押し紙」 問題(ググってね!)を掘り下げるように、ネットで声をあげよう。 日本という国が、北朝鮮問題等で危機的状況にあるなか、反日勢力やなんでも反対野党とつるんで「言葉狩り」や「あげ足を取り」や「疑惑捏造」に専念しているような新聞社やテレビ局は、もう静かに退場(廃業)してほしい。 ただ、最後の仕事として、今まで、どれだけ捏造報道してきたか、どれだけ偏向報道してきたか、どういう経緯で、誰がそれをさせていたのか、そして、どのような悪影響を各方面に及ぼしたのか、全てを詳らかにする書籍を販売することだけは許す。 もちろん、その収益金は偏向報道で被害を受けた国民に還元されることは当然だ。
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最近、単なる飲み会だが、所謂「ゆとり世代」と言われている、20歳代の若い人達と議論する機会があった。 政治や時事問題に関心のある人は、メディアのあり方についても疑問を持っていて、且つ、地政学的な見地で物事を俯瞰していたので、非常に頼もしいと感じた。 一方、あまり関心のない人達の意見は、他力本願なところも多いが、自分にとっては、逆にすごく勉強になった。 彼らの主張をまとめると「自虐史観的な姿勢のメディアが、必ずしも真実を伝えていないと言うならば、アナタはそのことに対して、何か対抗しているのか?、もし何もしていないなら、それは不作為の罪ではないのか?無関心と同じではないか?」といったところだ。 自分達の無関心さを棚に上げて、批判のための批判のようなことを言われて、一瞬ムカっと来たが、 ブログやFacebookでの発信もせず、この読者の少ないコラムすら半年以上も放置している身としては、正直なところ痛い所を突かれて参ってしまったのだった。 都議選の結果の衝撃も理由ではあるが、実を言うと、これが今回のコラムを書こうと思ったメインの動機なのだ。
(№99. メディアを監視し「情報弱者」を救え! おわり)